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【数年後】
――瀞霊廷内隊舎
「ふふん、やはり私の方が席位が上だったな」
自慢気に胸を反らし、死神の証したるその黒い装束に身を包んだ少女は言った。
対して隣を歩く友は、穏やかに微笑みながら
「おめでとう、不二神六席」
「有難う、藍染七席」
心からの賛辞を送る。
真央霊術院を卒業して間もなく、席官の座に就いた二人は同隊に配属された。
「しかし、統学院でも同じ組、此処でも同じ隊とは…つくづく腐れ縁だな。私たちは」
「不服かい?」
冗談めかして首を傾げると、彼女はまさかと微笑んだ。
「君と一緒で嬉しいよ。と、言うか…離れている所が最早想像出来ん。この際だ、とことん共に在ろうじゃないか。登り詰めよう、この場所で」
「ああ」
真新しい死覇装の袖を翻し、二人は晴れやかな顔で歩いていた。
その顔は自信と誇りに満ちており、今後の栄達は既に約束されているかの様にすら見えた。
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入隊から数ヶ月、二人は黙々と隊務をこなした。
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