BLEACH-覇道の夢-

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 現世での魂葬任務、流魂街の見廻り、虚の討伐、後席への指導と、やる事は数多くあり忙しい日々を送っていた。  そんな中、藍染は不二神の様子が以前と違う事に気が付いた。  初めは日々の隊務に追われ疲れているのかとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。  いつも黙々と仕事をこなしはするが、折りにつけ考え込む事が多くなった。 「不二神六席?」  今もそうだ。事務作業をしながら軽く声を掛けるが反応が無い。  見ると彼女は手にした書類に眼を落としたまま、何事か考え込んでいる。 「不二神?」  もう一度呼んでみるが、やはり反応は無い。  怪訝に思いながらも席を立ち、書類を目にしたまま微動だにしない彼女の背後に回ると、両手でぽんとその細い肩を叩いた。 「紫苑、大丈夫かい?」 「…っ!藍染」  びくりと肩を震わせ、彼女は弾かれた様に振り返った。  まるで今、藍染の存在に気が付いたかの様に。 「悩み事かい?」  顔を覗き込む様に身を屈めると、紫苑は力無く苦笑いながら呟いた。
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