BLEACH-覇道の夢-

21/42

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「すまない、心配を掛けたか」 「当たり前だろう。何があったんだい?」  首を傾げると彼女は、ふと浅い溜め息を吐き、肩に置かれたままの藍染の手に、こつりと頭を乗せた。  その拍子に、艶やかな髪がさらりと手に触れる。 「…っ」  藍染は僅かに動揺したが、それでも至って平静を装い言葉の続きを待った。  紫苑は俊巡すると、やがて重い口を開いた。 「大した事じゃない…」 「仕事が手につかない程、悩んでいるのに?」 「そんな事はないだろう。1日で片付けなければならない分は、きちんと終らせてる」 「けど、いつもの君らしくない」  頑なに話そうとしない紫苑に、僅かな苛立ちを込めて食い下がる。 「僕はそんなに、信用ならない男なのかな?」  珍しく拗ねた様な言い方になる。  何故彼女が自分に隠すのか、その意味が分からなかった。  学生時代からずっと一緒で、他の誰でもなく、自分こそが彼女の親友であるのだと言う自負があった。  だからこそ、彼女が悩む理由を自分に話すのを躊躇う事が寂しかった。  肩を掴む手に力を込める。 「藍染…」 「話してくれ、紫苑。僕たちは…親友だろう?」
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加