BLEACH-覇道の夢-

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「可笑しな奴だな」  恐らく、彼女自身意図してはいないのだろう。  再び書類に目を落とした紫苑は静かに呟いた。 「なぁ、惣右介」 「何だい、紫苑」 「もし――もし、事が露見して君自身の立場が危うくなったら、直ぐに私と手を切るんだぞ」 「…始める前から、失敗の予想かい?」 「常に最悪の事態を考えて行動しろ、と言っているだけだ。  いいから約束しろ。危なくなったら手を切ると――私の企みに付き合って君まで一生を棒に振るなよ」  穏やかだが、否やを言いにくい響きの声に、藍染は肩を竦めた。 「大丈夫。そうならない様、僕が手を打つよ。昔からそう言うのは得意だからね」 「惣右介」 「手段は僕に任せて、君は全てを手にした後の事を考えておいてくれないか」  言いながら自然と口角が上がるのが分かる。  何かを企てるのは楽しい。が、もっと楽しいのは彼女と何かをやり遂げる事だ。  紫苑が天に立つと言うのなら、その道は自分が拓こう。
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