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「相手は何体いたんだい?今回の見廻組は中規模編成だった筈だ、そうそうな事では――」
至って冷静に問い掛ける。すると、隊士の口からは驚くべき言葉が紡がれた。
「大虚(メノス・グランデ)、それも3体、確認されています!」
「大虚だって?」
目を丸くして、それは王属特務の仕事じゃないか、と言いかけ彼は言葉を飲み込んだ。
「現場には不二神六席が向かっていらっしゃいますが、そう長くは…っ」
「なん、だって…?」
今日、彼女は非番だった筈だ。その彼女が何故、そんな場所にいるのだろう。
予想だにしなかった解答に、完全に固まった藍染に対して、隊士は辛そうに唇を噛み締める。
「ここに来る途中、偶然お会いして…お話を致しましたら、御一人で飛び出して行かれましたっ」
「くそっ!」
珍しく悪態を着きながら、手にした本を放り出し、斬魄刀を手に踵を返す。
いくら席官でも、部下たちを庇いながらでは部が悪すぎる。
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