BLEACH-覇道の夢-

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「紫苑、無茶だけはしないでくれ…っ」  君にはまだ、やるべき事があるだろう?  心の内に呟きながら、藍染は疾駆した。 ――流魂街79番地区・草鹿某所 「はぁっ…はぁっ、はぁっ…」  荒い息を吐きながら、手にした斬魄刀を握り直す。 「流石に、これは、反則だろう…?」  思わずぼやくと、素早く周囲に目線を走らせた。  たかが大虚だと、たかをくくっていたのが悪かったか。  まさか、大虚だけでなく、あんな“オマケ”まで付いてくるだなんて、予想外もいいトコだ。 『何処に逃げた、虫けら?出てこい』  一匹だけ毛色の違うそれは、大虚というより人の形に近かった。  胸に空いた大きな穴と、顔面に張り付いた仮面の欠片らしきものを除けば、それは完全に人と言っても良かった。  だが、確実に人ではない事は既に実証済みだ。  ヤツが現れて、見回組はほぼ壊滅した。辛うじて生き残ったのは自分と、咄嗟に庇えた手近な隊士一人だけ。
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