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「簡単な事だ。君が統学院の入試で首席だったからさ」
さらりと言い放った不二神に、藍染は
「僕が…首席?それは違うよ、不二神くん。首席は君だ」
新入生代表として挨拶をしたじゃないかと疑問に反すと、彼女は微かに苦笑を浮かべ
「いや、本来の首席は君だったんだよ、藍染君。私は次席だ。
入試の担当官に掴ませて聞き出したから間違いない」
どこか悔しささえ滲ませて、彼女は続けた。
「私が選ばれたのは成績などではない。ただ単に、家柄で選ばれたに過ぎないんだ。
実際、首席を取ったのは君で、私は次席。総合成績では2点もの差があった」
そう語る不二神に、今度は藍染が苦笑う。
「たった2点だよ」
些細な事だと笑う藍染に、彼女は殊の外、真摯な表情で答えた。
「だが、その2点が今の私と君の純然たる力の差なんだ。
そして、もしこれが実戦の――そうだな、仮に刀の間合いに例えたとしたならば、私は確実に死んでいるだろう、違うか?」
「大袈裟だよ」
「そうか?だが、私はそう感じたんだ」
口元を僅かに吊り上げて、自嘲気味に笑う。
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