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「高々、魂葬実習を終えたくらいで、もう一端の死神気取りか?御目出度い奴だな」
「ほう?」
六回生の言葉に、一瞬、相方の周囲にピリッとした電流の様な気配が走る。
藍染は咄嗟に不二神と上級生との間に割って入った。
「申し訳ありません、先輩。些か己の力量を過信しすぎていた様です」
そう言って頭を下げる。普段ならこれで丸く収まるからだ。
不二神はいい顔をしないだろうが、今はこれが一番良い。
チラリと後ろに視線をやると、案の定、不機嫌そのものの気配を隠そうともせず、彼女は黙っている。
それが気に食わなかったのか
「ふん、親の七光りが!言うだけ言って、後は自分の腰巾着に頭を下げさせればすむと思っているんだろう?」
その言葉に、ぴくりと不二神が肩を揺らす。
「今までの様にぺこぺこする引率じゃなくて、残念だったな。俺はお前のご機嫌とりなぞせんぞ!」
ぎっと睨みつける男に、彼女の視線がゆっくりと上がる。
その中に剣呑な光を見つけ、藍染は青くなった。
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