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「愛桜ちゃんとメールしてる時が一番楽しい」
貴女はそう言って、喜んでくれたね。
私はすごく緊張してたよ。
初めて人を好きになった。
初めて人に惹かれた。
それが、女性だったことも。
…隠れた闇があったことも。
毎日が新鮮で、夜が来るのが楽しみだった。
貴女と繋がる。
その時間が、待ち遠しかった。
それなのに…
――そんな幸せな時間を、私は壊したんだね。
後悔はしてない。
だって、そのおかげで私は衣紅ちゃんという人を知ったから。
聞かなかったら、もっと後悔してたと思う。
「この世界が嫌い。
消えてしまえばいいのに」
私の、些細な呟き。
他から見たら笑い飛ばす内容でも、私と衣紅ちゃんにとっては真面目な話だった。
「僕も、大嫌い」
…この時から、私たちはお互いを求めていたのかもしれないね。
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