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私と衣紅(イク)ちゃんは、あるサイトを通じて知り合った。
衣紅ちゃんのページに飛んだ時、日記に「学校が嫌だ」と書いてあったのを見て私から接触したのだ。
普通の人が、普通にそんなことを書いていてもきっと見向きもしなかったと思う。
…だって、私はそんな優しい女じゃないから。
でも、何故か彼女には目が止まった。
放っておけなかったのかもしれない。
彼女の…
孤独感が伝わった。
寂しい
痛い
苦痛な叫び
私と同じ、悲しみが見えた。
衣紅ちゃんもそれに気づいたのか、私たちはすぐに親しくなった。
話題は尽きることなく、楽しい時が過ぎる。
衣紅ちゃんにはどうしてか素直でいられた。
彼女も、私には嘘をつかなかったから。
――何故だろう。
波長が合うように
混ざり合うように
溶け込むように…
私は、衣紅ちゃんに惹かれた。
彼女もきっと同じ思いだったんだと思う。
その日に携帯のアドレスを交換した。
もっと話したい。
このまま終わりなんて嫌…。
…そんな思いが伝わったのか、衣紅ちゃんから提案してくれた時は本当に嬉しかった。
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