壱符 「それは華のように華麗に、それは華のように儚く散る」

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―***― 必ず…終わりは、来る。 いくら私達が忘れまいと、思い出そうと、そうしても全てのものに終わりは来る。 人間も、妖怪も、吸血鬼も、不老不死も……私、隙間妖怪にも。 だからこの世に集うものは常に足掻いてる…の、かしら… 例え明日が絶対に来ると分かっても…時は永遠に続くと分かっても…私達は今が幸せになるように足掻き続ける? 終わりの無い永遠を…足掻き続ける? 否、違う、皆今が永遠に続かないのを知っているから…今を精一杯足掻き続けるのかしら?今を忘れないように。幸せを忘れないように。 「り?ゆか…?…紫!」 「…………」 何時から目を瞑っていたのかしら? 「紫…あんたどうしたのよ?」 辺りはまだ明るい、昼過ぎ位かしら。 それよりもどうした?どういうこと…… その頬には一筋の涙。 「あんた…今日おかしいわよ?」 「そうね…私にもよく分からないわ…」 さっきまでは気がつかなかったけど何で私は泣いていたのかしら… 「はぁ…無理しない方が良いわよ?」 「ふふ、気遣いはありがたいけれど大丈夫よ。」
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