フィルモア・リーン

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私の言葉に昇は眉を寄せて左手をパチンと鳴らす。 するとドン!と私の目の前にスープの鍋が現れた。 「自分でつげ。」 そう言って澄ました顔でスープを1口飲む昇。 何だかムカツク。 母は苦笑していた。 仕方がないから自分でつごうとして鍋に触ってしまった。 「あち!」 私が声を上げると昇は大げさにため息をつきもう一度指を鳴らした。 すると勝手にスープはお皿につがれて火傷の手は光に包まれて治療されていた。 そして鍋は再び台所に移動していた。 「全く。子供みたいに世話の焼ける奴だな。ほんとに俺より年上か?」 昇の言葉に私は顔を真っ赤にして睨みつける。 母は大笑いをしていた。
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