1 BLゲーム買っちゃいました

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暗い部屋の中、私はPC画面に向かって萌えていた。 「キャー!王道転校生受け良いよ!あーでもツンデレさん受けも捨てがたい…」 パソコンに映し出された男の子達。その子達は皆一様に青いブレザーを着ていた。 「このゲーム買って正解だった!私の好みに近そー」 そう言い手にとったゲームケースには【聖峰学園】と書かれていた。 とにかく総受け!!愛され大好き!! な私にとって、固定キャラエンドルートに入っても他のキャラから愛されまくるこのゲームは神そのものだった。 友人から言わせてみると【そんな暑苦しい恋は嫌】らしいが、私は好きなのだ。個人の趣味の問題だからほっといてほしいものだ。 フンフン鼻歌を歌いながら、主人公の名前を入力する所まできた。名前を変えなければフルボイスでBLゲームを楽しめるが名前を変えると『君』や『あなた』などにボイスが変換されてしまう。 けれど、私はあえて自分の名前を入力してみる。心境の変化と言うわけでなく、試しに自分の名前を入れて少し試してみよう!的な軽いノリだった。 名字 伊東 名前 優 画面に映し出された名前に満足気に決定ボタンを押す。 すると一回画面が真っ白になってしまい、動かなくなった。 「え!?ちょっとフリーズ!?」 さあ、今からだと言うのにそれはないよ。 とパソコンの画面を凝視していると薄く文字が出てきた。 【貴女が入学しますか?YES・NO】 新しい始まり方だなーっと思いながら、YESをクリックすると次の文字が出てきた。 【男で入学しますか?YES・NO】 BLゲームなのに何を当たり前の事を聞くのかと、半ば面倒くさそうにYESをクリックする。 すると、画面に次の文章が出てきた。 【入学有難うございます。それでは、学生生活を楽しんできて下さい。】
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