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今日は休日。
普段の私なら寝て過ごしてた。
だけど、今日はあの人…修二さんに会う日。
だからって、おしゃれする必要ないんだって思うけど、やっぱり気になる。
慣れないヒールは歩きづらいから、母に車で待ち合わせ場所まで送ってもらった。
喫茶店で待ち合わせした。
修二さんの姿をみつけて、喫茶店に入ろうと、扉に手を伸ばす。
「……!」
扉に書かれていた、おそらくこの喫茶店の名前。
【Lover】
――恋人
私は赤くなった顔を隠すために、下を向きながら修二さんの席に座った。
「久しぶり。何か食べる?」
小さく首を振る。今気持ちがいっぱいいっぱいで、食べれないから。
何でこんな気持ちになるんだろう。
わからない。
「詩、みせて」
「……どうぞ」
ノートを渡すと、修二さんはへらへら顔が真剣な表情になった。
くすぐったくて、また顔が熱くなった。
「オレンジジュースのお客様」
「ああ、それ杏子ちゃんの」
どうぞと言われて渡されたのは、頼んでいないはずのオレンジジュース。
「それでも飲んでまっててよ」
そう言って視線をノートに戻した。
なんだか、落ち着かなくてただひたすらオレンジジュースを飲み続けた。
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