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夜のこの街
灯りがともる
軋む歯車と車輪の音
響かせて歩いた
行く宛もなく
上手く歩けなくても
私は何故生まれたのでしょう
何故心臓は銀の色なの
遠い昔にあの人が言った
「君は特別な人形」だと
踊り歌い
彼に褒められるように
今も歌ってる ずっと
彼が目を覚まさなくても歌おう
私は何故生まれたのでしょう
ただ永遠に歌い続ける
いつかは眠りにつき
あの人のいる 素敵な場所へ
願いは叶わない
一人歌い生きて 壊れて
時が流れて
歌も忘れて
あの人眠る場所へと急ぐ
ひび割れた身体を
ひきずりながら
何度転んでも
海の見える場所に花を添え
さあ眠らせて
あの人と共に
願いを叶えましょう
「君は十分一人で生きた」
あの人の声が聴こえた
近い傍で
夢の中で何度も聴いた声
優しく胸に響き渡る
穏やかな光
私を包んで
笑ってる
笑ってる―
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