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「俺か?俺は情報屋の言葉を頼りに遺跡を探しにきたんだよ。・・・結局何もなかったけどな」
「遺跡、ですか・・・。そういえば時々このあたりに古いお城みたいなのがあった。って人が王都に何人かいたような・・・」
「何だって!?それはどこだ!?」
アリアの言葉に冷静さを失い、彼女の両肩を掴んで問い詰めた
アリアは俺の剣幕に驚いたようだが言葉を紡いでくれた
「え、えっと、すいません。私も直接見たわけではありませんし、そういう話を聞いたことがある、程度ですので・・・」
申し訳なさそうな顔で喋る彼女を見て冷静さを取り戻した俺は彼女の肩を掴んでいた手を離した
「いや、こっちこそ悪かった。よくよく考えてみればそこまで執着する必要も無いしな」
そこで俺たちの会話は終了した
・・・のだが、
・・・き、気まずい・・・。ちょっと熱くなりすぎてしまったせいか、彼女は先程のように話すのを止めてしまった
まあ、俺としては別に聞きたいことがあるわけではないし、さらに言ってしまえば今までろくに異性と会話したことがないので話しかけなくてもいいかな、なんて思ったりもしているのだが・・・
・・・さっきの事で怖がらせてしまったのなら些かマズい状態である
何故なら買い取り主と仲良くなっておかないと買い取り価格を上げることが出来ないからだ
・・・しょうがない、ここは俺から話しかけるとしよう、不本意だが、本当に不本意だが!
「なあ、」「あの、」
・・・かぶっちまったよ・・・
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