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魔物はその長い鼻から大きく息を吸い込んだ
「お?フリージングブレスか?」
(普段なら簡単に避けれるんだが・・・)
そう思いちらりと後ろを見ると、未だに座り込んでいる少女が目に入る
(腰でも抜けてんのか?)
「ハァ、しゃーねえか」
そう言って彼は銃を魔物の口に照準を合わせた
「口を狙うと牙を傷つけちまいそうで嫌なんだけど・・・」
魔物の口の中は今にも溢れ出さんばかりに膨らんでいる
「傷つくなよ~。それっ!『バーストブレット』」
彼が銃から弾を発射すると魔物も口に溜めていたものを一気に吹き出した
(もうダメっ!!)
彼女はさすがにあんな銃弾一発で止められるとは思わず、ギュッと固く目を閉じた
(・・・・・・・・・あれ?)
いつまでたっても何も来ない。彼女は恐る恐る目を開けた
「っ!!」
彼女が目を開くと最初に映ったのは横たわる魔物と未だ先ほどの場所に立っている青年であった
「・・・くそぅ、牙が一本折れちまったか。まあ一本でもそれなりの値はするからいいや」
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