リストラ

2/8
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「ミーンミンミンミン」 7月下旬、東京都内は例年並みの暑さの夏を迎えていた。 「あちぃな~」 俺は顔から滝のように流れる汗をハンカチで拭きながら呟いた。 俺の名前は中田一貴。25歳。どこにでもいる普通のサラリーマンだ。東京にある会社で会社員として働いている。今は営業先から帰ってきたところだった。 「またミスっちまったよ」 俺は営業先に行くとほとんどの確率で失敗してくる。部長からはそのたびに叱られるが、それでも俺を営業先に向かわせてくれた。 「また叱られちまうな~、会社戻りたくねぇよ…」 俺はブルーな気持ちになりながら会社に戻った。 「ただいま戻りました~」 そう言いながら職場に戻ると、 「中田君どうだったかね、今日こそうまくいったよね?」 部長が作り笑いをしながら俺に聞いてきた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!