中学生時代

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中学校一年、4月。 あたしはそわそわしていた。 誰も知り合いがいないんじゃないかって不安な心境を抱きながら入学式を終え、自分のクラスに入った。 そしてぎこちなく自己紹介。 周りを見渡すと、知らない人ばかりだ…。 ―まずい…あたし、ここで暮らしていけるかなぁ…。 そんな不安を抱いていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「佐藤 貴裕です。よろしくお願いします」 貴裕も不安だったのか、少しオドオドしていた。 ようし、自己紹介が終わったらからかってあげよ。 自己紹介が終わると、あたしは貴裕のところに近寄っていった。 そして皮肉るように言った。 「あら?自己紹介でビクビクしていた貴裕君じゃない!」 それに対して慣れた感じで貴裕は返す。 「いやぁ知り合いがいないんじゃないかって不安で…。でもお前がいてくれて嬉しいよ」 あたしは顔を赤らめた。 嬉しい…貴裕に、必要とされている。 でも人前で素直になれないあたしは心境とは真逆の言葉で返す。 「べ、別にあたしはあんたなんかと一緒になったからって嬉しくないんだからね!」 恥ずかしかったのであたしは言い捨てて席にもどった。
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