プロローグ

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西暦2460年、地球の未来を左右する新しいエネルギーが発見され、人類は新しい時代を迎えることになった。 そのエネルギーの名は《マナ》と呼ばれる粒子から作られるマナエネルギーである。マナは突如地球に現れた2本の巨大な樹木(マナの樹)から光合成の原理で放出されている。 マナ発電は火力発電、自然発電、原子力発電のどれに比べても安全で、小規模の施設で莫大なエネルギーを生み出す。このマナエネルギーは軍事兵器から子どもの玩具へと利用され、地球で心配されていたエネルギー問題は解決した。 しかし、新たな問題が同時に生まれた。《マナの樹》の所有権を巡り、世界が2つに別れたのだ。 1つはアメリカとヨーロッパ西部、アフリカ大陸の地球連合軍――TEU。 もう1つはロシア、中国などのアジアとヨーロッパ東部の反地球連合軍――ROAD。 宗教上、憲法上の理由などでどちらにも所属していない国もあり、それらは中立国として扱われている。 この2つの連合軍は、マナエネルギーを動力源とする人型機動兵器(マナ・ボディ)――通称、MBによる戦争を始めた。この戦争は後にマナ戦争と呼ばれるようになり、《マナ》が発見されてから40年経った今でも続き、泥沼化の一方である。
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