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コレン・レッカードはTEUのオレンジ色のパイロットスーツを身に付け、MB格納庫に向かって歩いていた。その脇にはヘルメットがあった。
青い髪、優しさを感じる瞳、とても飲酒ができる年齢だとは思えない幼い顔立ちをしている。
「コレン、おはよう」
黒髪の、コレンと同じパイロットスーツを身につけた青年が彼の肩を叩いた。
「コータロー。先に行ってると思ってたよ」
緊張がほぐれたのか、コレンは笑顔になった。青年――コータロー・キリヤはそんな彼に影響されたのか、自然と爽やかな笑顔を浮かべていた。
「さすがに、死と隣合わせの戦場に行くのは辛いから、待ってた」
「だよね。実は僕もコータローを探していたんだ」
会話を交わしながら歩く2人からは、これから戦争をしに行くような雰囲気を感じられなかった。
「まさか、コレンが新型MBのテストパイロットに選ばれるなんてな」
会話は自然と、これからの自分たちの任務についてが話題となった。
「僕もビックリだよ……たまたま新しいシュミレーターをやってみただけなのに」
「そんな簡単に言うけどさ、あれの操作かなり難しかったんだぜ……あのビットっていう兵器なんか特にさ。ホント、コレンは天才だな」
コータローはシュミレーターでのことをよく思い出しながら言った。そして、そのシュミレーターを簡単にやってのけたコレンの腕を褒めた。
嬉しいのか、それとも恥ずかしいのか、コレンは顔を赤くして礼を言った。
「コレンみたいのを、コネクターっていうのかな?」
不意に《コネクター》という存在を思い出し、話題に出してみた。すると、さっきの明るい表情が一変し、コレンの顔が曇った。
「違う。僕はMBたちの声が聞こえるだけだよ」
冷淡なコレンの言葉が理解できず、コータローは首を傾げた。同時に、コレンを不思議な奴だと思った。
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