第1章 出会う2人

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2人がMB格納庫に入ると、整備士たちから資料を受け取った。そこには、今からコレンが搭乗するMB――《MBT-03 アルタイ》に関するデータが事細かに記載してあった。 「ゾルのカスタム機……高機動戦闘が求められるのか」 資料を置き、コレンは格納庫の中央で輝いている《アルタイ》を見上げた。 TEUの主力MBである《ズド》と《ゾル》に比べると、人に近いデザインになっている。頭部にはゴーグルのようなものがあり、それと肩と腰の装甲は青く、他の装甲は灰色だ。 「俺たちはズドで援護するから、お前は思い切り駆けろよな」 すれ違いざまに、ポンポン、と肩を叩き、コレンを勇気づけた。 「うん、やってやるよ……アルタイとともにね」 脇に抱えてあったヘルメットを被った。そこから見えるコレンの瞳には迷いなど感じられない。 そして、《アルタイ》に向かって歩きだした。 「これがアルタイ……ゾルのカスタム機らしいけど、全然違う」 コレンは《アルタイ》のコクピットに乗り、レバーやマニュピレーター、ペダルの感触を確かめていた。誰も触れていない機体だけあり、全てが新しい。しかし、どこか懐かしさも感じる。 『コレン、新型の調子はどうだ?』 コータローの《ズド》から通信が入り、彼の声がコクピットに流れた。 「かなりいいね……僕に合うよ」 『敵さんは近くまで来ているようだ……コレンは後から』 「アルタイは発射シークエンスに入ります!」 コータローの言葉を遮り、コレンは誰よりも先に《アルタイ》をカタパルトに乗せた。 『お、おい!?』 「コレン・レッカード、出ますよ!」 そして、格納庫のハッチが開き、アルタイは青い空へと飛び出していった。その速さは、コータローの《ズド》では追いつけないと一瞬で判断できる程であった。 『勝手だな……みんな、急いで追うぞ!』 他の《ズド》のパイロットたちの出撃を急かせながら、コータローはコレンの無事を祈っていた。
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