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外は完全に日が落ちて、夜の闇が街を包み込む頃。
こんな遅くに社内に残っているものもおらず、暗い社内に場違いなほどに明るい会議室から艶かしい声が響いていた。
「あッんんッ!…んぁ…ぁあッ!」
「君も随分…淫らになったものだ…ね」
会議室の冷たい机の上に下だけを脱がされた格好で転がされた僕。香坂 光(コウサカ ミツル)
抵抗も出来ないまま堪えようにも溢れてしまう声を必死に抑えようとしている僕を楽しむかのように男はニヤリと笑って揺さぶる。
男の名は海藤 忠義(カイドウ タダヨシ)。
僕の上司であり、心から信頼を寄せていた憧れの先輩…だったはずなのに
出し入れされる度にグチャグチャと厭らしい水音が僕の声と共に響いていく。
「や…だッ…んんッ…ど…して…あぁッ!」
…どうして僕を
…どうして、どうして
「どうして?…そんなことを聞くなんて君は罪な子だ…愛しているよ。光」
…愛してる
その言葉が聞こえれば、さらに激しく揺さぶられ終わりを迎える。
…どうして
その答えなど存在しないかのように僕の問いかけは無意味なもの。
終わらない…
何も終わらない
誰か…僕を助けて
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