第1章 少年

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十夜が扉を開く。 皆の視線が集まる。 「なに見てんだよ。オイ。」 その一言で皆の視線が逸れる。 十夜は先生がいる方向を見る。 「あっ。」 そこには驚いた顔をするこの間の女が立っていた。 十夜は無視してカズ達の元へ向かう。 「おぉ十夜。来たか。」 「おう。」 弥にそう相槌を打つと床に座る。 「やたらこっち見てっけどあの美人知り合い?」 「いや知らねぇ。」 悠哉の問いかけにもぶっきらぼうに答える。 「じゃあ先生お願いします。」 十夜の担任が女を前に出す。 「産休で一年間居なかったのですが今年からまた戻ってきました。保健室の養護教諭と三年生の担当になった朝霧咲子です。これから一年間よろしくお願いします。」 咲子は頭を下げる。
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