プロローグ

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「待ちなさい。」 女は少年の腕を掴む。 「はぁ?」 タバコを吹かしながら振り返る。 「あなたこの子病院に連れていきなさい。」 女が険しい顔で言う。 「なんで俺が連れてくんだよ。テメェが連れてきゃいいだろうが。」 少年は手を振りほどく。 「じゃあ名前教えなさい。」 「はぁ?」 少年は顔をしかめる。 「いいから。」 少年はため息をつきながら、タバコをくわえながら言う。 「北村十夜。これでいいんだろ?じゃあな。」 ぶっきらぼうに言うと十夜は女に背を向け歩き出す。 女はその背中を眺めていた。
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