第一章 神様見習いと少年の試練

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少年に声を掛けられた私は驚く 理由は物凄く簡単。神様見習いである私の姿が見えてるからである 普通は、霊力が高い人にしか、人間は神様や天使等の人間外の人間の姿をした者を見る事が出来ない。でも今目の前にいる少年は、私の姿をはっきりとなのかぼんやりとなのかは分からないけど見えてる 「…もしかして君、人間じゃないのか?」 少年は躊躇いも怖がりもせずに、私に向かってこう言ってきた 私はしばらく返答するのを躊躇ったが、しかし少年が私の存在を見えてる以上、嘘を吐いても後々厄介事に巻き込まれる可能性があると何故か思い、首を縦に振るだけにして言葉には言わなかった 「そうか。なら、悪い事したかな…。人間じゃない奴は、人間に見られた上に話すと存在が無くなるからさ…」 少年は悲痛な面持ちで呟く その姿に、私はまだ見知ってそんなに時間が経ってないと言うのに、少年の左頬を思いっきり引っ張る 「それは死者と天使だけ。まだ力が未熟だからね。私は神様見習いだから、そんな事は無いの!」 ぐいぐい頬を引っ張りながら怒る私に、少年は「勘弁してくれ!」と悲鳴を上げる 「しかし、神様見習いっていう言葉は初めて聞いたな。前に天使と知り合いで色々な事を聞いたが、神様見習いっていう言葉は初めてだ」 しばらくしてから、少年は痛さが引いたのか、そうすらすらと話す 「神様見習いは、私一人だけだもん」 ひねくれながら、私は少年に対して、神様見習いになった経緯を言う 少年は相槌を打ちながら、真剣になって私の話を聞いていた 「それで神様になる為にも、その神様の証である【隼の杖】っていうのを探してるのか」 「うん。【隼の杖】は私にとって、命の次に大切な物。それをうっかりとは言え、無くしちゃったから…」 「それじゃあ、俺もその【隼の杖】を探してやるよ。一人よりも二人の方が、【隼の杖】を早く見つけられるだろ?」 「えっ?良いの?」 「ああ。それに俺、学校にも行きたくないし、家にも居たくないから、君の探し物を探すのを手伝える」 思わぬ協力者の出現に、私は嬉しくなり、「よろしくね」と頭を下げながら言う 「そうと決まれば、まずは自己紹介をしないとな。俺の名前は、早瀬 智久。智久で構わない」 「私の名前は、アルト。智久、よろしくね」 自己紹介を終えると、私と少年・智久は【隼の杖】を探し始めた
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