863人が本棚に入れています
本棚に追加
「中本さん、むーと席変わってくれる?むー、よく遅刻するし、ね?」
中本さんは頷くと、真ん中の席に移動した。
きっと、どんな理由を付けてでも、最初から田脇先生は、木村睦美とあたしを、隣にする気だったんだ。
まだ教室にやって来ない木村睦美が来ることを思うと、落ち着かなかった。
二時間目が終わった頃、眠そうな顔で彼女はやって来た。
出入口からグルリと教室を見渡して、あたしに目を留め、彼女は訊いた。
「なァ、席替えしたん?」
「うん。」
あたしは愛想無く答えた。
最初のコメントを投稿しよう!