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木村睦美は上靴を引きずるように歩いて、こちらに向かって来た。
話しかけられたらイヤだ。
あたしは、目を逸らした。
「なァ、むーの席どこ?」
─ むー?
あ、ムツミだからか‥
「えっと‥。」
考えていると、あたしの隣の席に居る男子、上野が
「神崎の後ろやんけ。」
と、言った。
─ え?後ろ?
サイアク‥
「ありがとー♪」
そう言って恥ずかしそうに笑った木村睦美に、一瞬好感を持ったけど、やっぱり席が近いのはイヤだった。
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