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「ルリ、ちょっと指導室に来てくれる?」
「はい‥。」
返事をしたものの、呼び出された理由が何だか、サッパリ分からない。
詩音に先に帰ってと伝えたけど、靴箱で待ってると言ってくれた。
あたしは、生徒指導室に向かった。
三十分後‥。
田脇先生の話を聞いて指導室を出たあたしは、とても憂鬱だったんだ。
ハッキリ断れなかった自分に悲しくなりながら、詩音が待つ靴箱へと急いだ。
「ごめん。待たせて。」
「ううん、早かったやん♪」
靴箱で靴を履き替えて、あたし達は暖かい春の日差しを受け、桜の花びらが舞う校庭を後にした。
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