lesson.01 トモダチ

8/21
前へ
/333ページ
次へ
  「ルリ、ちょっと指導室に来てくれる?」 「はい‥。」 返事をしたものの、呼び出された理由が何だか、サッパリ分からない。 詩音に先に帰ってと伝えたけど、靴箱で待ってると言ってくれた。 あたしは、生徒指導室に向かった。 三十分後‥。 田脇先生の話を聞いて指導室を出たあたしは、とても憂鬱だったんだ。 ハッキリ断れなかった自分に悲しくなりながら、詩音が待つ靴箱へと急いだ。 「ごめん。待たせて。」 「ううん、早かったやん♪」 靴箱で靴を履き替えて、あたし達は暖かい春の日差しを受け、桜の花びらが舞う校庭を後にした。  
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加