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パーティーでは侵入者に備えて配置された、何人もの警備員が目を光らせている。
また、完全招待制なので、入り口で招待状をチェックされる。
そこに、パーティーの会場に向かう1人の男が、スポーツカーから降りてきた。
その男は入り口まで来ると、立っている1人の警備員に招待状を見せた。
招待状を手に取った警備員の眉が、ピクリと動く。
「ちょっと来い。」
男は警備員に、人目につかない路地裏に連れてこられた。
男が慌て出す。
「一体なんなんだ!?」
「やっぱりおまえか、アキラ。」
警備員が服を脱ぐと、一瞬にしてスーツ姿のショウになった。
アキラと呼ばれた男は肩を落とし、渋々と顔マスクを外した。
この男は肉弾戦を得意とする怪盗。ショウとは孤児院にいた時からの仲。
「どうして俺だとわかった?
そもそも、なんでショウが警備員に変装している?」
「俺はミッションでここに来た。」
「俺も同じだ。」
「そうなのか?なら、話が早い。」
ショウは内ポケットから、偽装された招待状を出した。
「じいやから本物の招待状を借りて分析してみたら、招待状自体にコードが埋め込まれていた。
偽装や他人による使用を防ぐ為だろう。
だから、偽装した招待状を使わずに侵入できる、警備員になったわけさ。
おかげで、無線機から情報が丸聞こえだ。」
アキラは目を点にして聞いていた。
「おまえの招待状のコードを、警備員として支給されたリーダーで読み込んだ時、反応がなかったこと。
あとは、おまえのその体格で判断した。」
昔からの付き合いだからな。とショウが付け足す。
「はぁ…やっぱスゲーな。」
「俺1人だけだと思ってたから、招待状のコードの件は、ミッションの後に報告しようと思っていたが…
まさか、おまえも同じミッションだったとは。」
アキラの珍しいスーツ姿をまじまじと見ると、ショウは唖然とした。
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