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「てっきり、いつもの普段着で来るかと思ってた。」
「いくらなんでも、パーティにいつもの服で行くわけにはいかないだろ。」
それにしても、スーツって動きづらいいな。と顔をしかめるアキラ。
鍛えあげられた筋肉が目立つ大きな図体が、スーツを着ているというのは、なんとも不思議な光景である。
「ショウ、今笑ったな!」
「…バレた?」
ショウは笑うのを止め、真剣な表情になった。
「一緒にミッションするか?」
「あぁ、やろうぜ!目的は一緒なんだからな。」
「しかし、このミッションなんか変だ。
無線機で聞いた話によると、奴らは俺達が来ることに気付いてる。」
「なんでだよ!?」
「さあ?俺にもわからない。」
ショウは腕組をして、しばらく考えると、パッと顔を上げた。
「必要な情報は手に入れたし、どうせバレてるんだったら、変装しないで正面から行こうぜ。その方が盗みが鮮やかだ。」
「出たな、ショウの口癖。」
ショウは宝を集めることよりも、いかに宝を鮮やかに盗るかが重要らしい。
「じゃ、行こうぜ!」
「ちょっと待て。服装が乱れてる。」
裏路地にあるガラスに映る自分を見て、ショウは服装をチェックし始めた。
シワ1つないスーツに、真っ直ぐなネクタイ。
スーツの袖から見えるブランドの腕時計。
――よし、完璧だ。
「ショウって、細かい所を気にするよな。」
「身だしなみは基本だ。パーティはなおさらな。」
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