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2人は警備員のいるパーティーの入り口に、真っ直ぐ向かった。
そして、堂々と招待状を見せる。
「ようこそ、お入り下さい。」
パーティーの会場に歩るきながら、ショウは手鏡を出し、鏡越しに警備員を見た。
なにやら、無線機で連絡を取り合っているようだ。
アキラは、ショウに小声で話しかけた。
「あっさり入れたな。」
「あぁ、来ることを知ってながら、なんで入れたんだ?ますます意味不明だ。」
周りを見回すと、さすが社長の開くパーティーだけあって、
スーツを着た男性や、軽くドレスアップした婦人がたくさんいる。
中には、外国人の姿も見える。
「うまそうな料理だ。」
「食べるなよ。何が入ってるかわからないからな。」
「くぅ…、ちょっとぐらい…」
「ほら、行くぞ。」
豪華な料理に手を伸ばすアキラを、呆れながら見ていると、
ざわついていた会場が急に静かになった。
――なんだ?
「皆様、本日はお越しいただきありがとうございます。」
人々の視線が集まるステージには、社長が立って挨拶をしていた。
見た目は優しそうな中年男性。
とても、怪盗団のボスには見えない。
「では、さっそく社交ダンスの方を…」
社長が合図をすると、オーケストラによる演奏が始まった。
そのリズムに合わせて人々が踊り出す。
――ちっ、動きづらくなったな。
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