第十一章
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「携帯です。」 そう言って、俺は自分の携帯を目の前に出した。 「赤外線通信で大丈夫かな?」 「大丈夫ですよ。」 彼女の携帯は落ち着いた色だった。 ストラップも付いていない。 「それじゃ送るね。」 「・・・・・・・・・、来た! 月菜さん来ました!」 まるで子供のようにはしゃいでしまった。 「大丈夫ね。」 「マジで嬉しいです。」 ようやく一歩前進した。
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