第十二章

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「はい森下さん、これ忘年会の案内です。」 「出欠確認?」 「それもですけど、森下さんは出席ですからね。」 「有無を言わさずに?」 「もちろんです。」 にこやかに脇本さんが言ってきた。 そんな時期か...。 昇格試験も終わってひと段落するかと思ったけどそうはできなさそうだ。 会社の忘年会は、支社ごとに行われるため多くの支店が集まって賑やかなものになる。 普段会わない同期や先輩なんかとも会えるので、ほとんどの社員が参加する。 「俺、今年の幹事のひとりなんですよ。 だから、うちの支店は有無を言わせず全員参加です。」 「わかりました。 大変だけど頑張ってね。」 「労ってくれるのは森下さんだけですよ。」 幹事がまんざらでもない様子に思わずおかしくなってしまった。 .
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