第十三章

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「あっ、こんな夜遅くにすみません。」 「大丈夫よ。 まだ22時過ぎだもの。」 クスッと笑う声が聞こえた。 そのおかげか、少しだけ緊張が解れた気がした。 「あっ、今度いつ本屋に行くのかと思って。」 「今日、仕事帰りに行ってきたの。」 と言われ、今日が水曜日だと改めて確認した。 「もう家なんですか?」 「うん、家よ。 ・・・涼くんは?」 「ちょっと前に帰ったばかりです。」 「遅くまで頑張ってるのね。」 ほんの些細な言葉が嬉しかった。 そうなると、声を聞くだけでは足りなくなってくる欲張りな自分がいた。
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