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「いや、あの、
ぶつかって危ないかと思って・・・。ほんとすみません。」
「ううん、気を使わせてごめんなさい。」
しまった・・・。と後悔しても遅い。
数十センチの距離が数十メートルに変わったような気がした。
それからお互い無言のまま歩いた。
そうこうしているうちに駅へと着いた。
「それじゃ、今日はごちそうさまでした。本当にどうもありがとう。
おやすみなさい。」
「俺、送っていきます。」
「時間まだ遅くないし大丈夫だから。」
「でも・・・。」
「本当に大丈夫。
おやすみなさい。」
そう言って一礼すると彼女は改札に歩いていってしまった。
数十メールの距離を縮める事ができないまま帰ってしまった。
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