第十四章

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涼くんと会ったあの日から半月ほど経っていた。 そして今、部長から昇格試験の結果を聞かされた。 「おめでとう。」 と言われた瞬間に、今までの疲れがどっと押し寄せ眩暈がしている。 「森下さん、どうでしたか?」 部長との面談から戻った私を待っていたのは、脇本さんをはじめフロアの面々。 「無事、パスしました。」 しんとしていたフロアが一転、 「おめでとうございます。」 「良かった~。」 と賑やかになり、その中で脇本さんがバンザイを始めた。 「そんなに騒がなくても・・・。」 みんながこんなに喜んでくれるなんて。 嬉しくて、顔がくしゃくしゃになっているのにも気がつかなかった。
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