第十四章

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「うちの支店は最高っす。」 「ほんとね。」 みんなが楽しそうにしている顔を見ているだけで、私も楽しくなってくる。 いつも斜に構えていた私。 こんなにもいい仲間に囲まれていたのだと改めて思った。 「次回の忘年会は、森下さんいないんですね。」 「何?気の早い話なんかして。」 「支社と本社は別ですよね。」 「そうでしょうね。」 気のせいか少し淋しそうな顔をしていた。 「実は俺、昨日異動願いを出しました。」 「えっ!?」 「叶うかわかりませんけど。 森下さんからは、まだ教えてもらわなきゃいけない事がたくさんありますから。」 「・・・・・・。」 予想もしていなかった話に返す言葉が見つからなかった。
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