第一章

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「あの・・・どうもありがとうございます。」 相手の顔を見れないままにお礼を言った。 本当であれば、満面の笑みでお礼を言うべきなのかもしれない。 でも、今の私には無理。 愛想笑いさえもできない。 「失礼します。」 ようやく次に発した一言。 これが精一杯だった。 軽く頭を下げレジへ向かう。 早くここから去りたかった。 今日は来なければよかった。 この本を欲しいと思わなければよかった。
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