第十四章

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リセットすると決めた日から数日後。 「・・・・・・私、・・・・・・これからはひとりで頑張ってみようと思う。」 テーブルを挟んで目の前に座る潤に言った。 会ってきちんと伝えたかった。 そして今、向かい合っている。 私の突然の申し出に一瞬瞳が揺らいだように見えたけど、いつもと同じ表情だった。 潤は受け入れてくれるとわかっていた。 「もう決めたの?」 安心させてくれる優しい話し方。 そう、私は気が付いた時にはこの優しさに縋っていたんだ。 手に入らない関係がいいなんて思っていたけど、やっぱり淋しかった。 冷めていたなんて強がり。 「晃太がいなくなって、傷ついている月菜を放っておくことなんてできなかった。」 「うん・・・。すごく助けられた。」 「大丈夫なの?」 「うん・・・・・・ 今まで、ありがとうね。」 「決心は固いんだね。」
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