第一章

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『高くて、届かないみたいだったから』 数時間前の言葉が浮かんでくる。 部屋に帰って来てから、袋からは取り出したけれどそれ以上何もできず、テーブルの上に置いたままの写真集を眺めていた。 あの人はほんの親切心から手を伸ばしてくれたのだと思う。 それで終わりにしてくれれば良かったのに。 届かないことなんて誰よりも私が一番良くわかっているのに。 結局、一度も開く事なく本棚の隅へとしまった。
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