第十五章

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「で? りょーくんは、落ち込んでるわけだ。」 「……うまくいかない。」 イブもクリスマスも何も起こらずに終わり、かなり焦っていた俺は海斗を飲みに誘った。 「飯食いに行ったんだ。」 「すごいじゃん。」 「結構前の話だけど。」 「でも行ったんだろ。」 ジョッキに僅かに残ったビールを飲み干して、 「少し浮かれ過ぎてたかもな。」 と苦笑いすると、 「月菜に何かした?」 グラスを置いた海斗の顔が、一瞬冷たく感じたのは気のせいか? 「するもしないも、何もできなかったよ。」 肩を抱き寄せた事は言えなかった。 .
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