第十六章

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「職業柄、会話の中での口癖とかってすぐに気が付いてしまうみたいなの。」 遠回しに特別ではない事を言ったつもりだった。 「それでも、嬉しいです。」 満面の笑みでそう答えた涼くん。 前にも思ったけど、この笑顔は人の気持ちをくすぐる。 きっとファンも多いにちがいない。 次の言葉を見つけようとして会話が途切れ、沈黙がふたりを包んだ。 「あの・・・。」 沈黙を破ったのは涼くんだった。
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