第十六章

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涼くんの瞳を見ていることができずに思わず俯いたときだった。 「俺・・・、 今までこんなに人を愛しく思ったことがないんです。 もし、月菜さんが過去に囚われているのであれば、俺がそれを超える未来を一緒につくりたい。」 「・・・・・・何も、涼くんは何もわかってない。」 涙が溢れてきた。 泣いてはいけないと思いながらも止める事ができず、 「涼くんに私の気持ちなんて、わかるわけなんてない。」 ソファーから立ち上がりリビングを出ようとした時だった。 一瞬、視界が遮られ、 同時に強く抱きしめられていた。
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