第十六章

11/16
前へ
/525ページ
次へ
「こどもなんて思ってないですよ。 俺の方がずっとこどもだから。」 喋り続けながら、ぽんぽんとされていても不思議と嫌な気持ちにはならなかった。 逆に和らいでいく気がした。 男の人の大きな腕の中で、こんな気持ちになったのは、心の扉を閉めてしまってから初めてかもしれない。 「・・・・・・、 どうして私に構うの?」 聞いてみたかった。 「愛しくて仕方ないんです。」 また涼くんの心臓の音が一段と大きくなった気がした。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加