第ニ章

3/9

4129人が本棚に入れています
本棚に追加
/525ページ
先週、たまたま寄ったこの店で彼女を見つけた。 大きなフロアの一角で。 本に手を伸ばしている姿を一目見てすぐにあの人だとわかった。 少しも変わっていなかった。 何年ぶりだろう。 懐かしさと、あの頃の淡い想いがよみがえってくる。 何とかして声をかけたい! でも身体が動かなかった。 また会えたら運命だと思って、次は必ず声をかけよう。 もし会えなかったら、運命なんてなかったと諦めればいい。 必ず会える。 彼女が教えてくれた運命とういうものが本当であれば。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4129人が本棚に入れています
本棚に追加