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「これはあくまでも弟の俺が思っている事なんだけど、
月菜は失う事が怖いんだと思う。ほら、話した事あるだろ。婚約者を病気で亡くしたって。
あれからなんだよな、今みたいに感情も何もかも押し殺すようになったのは。」
「俺とは関係ないだろ?」
「あるさ。
涼まで居なくなったら。ってまず第一に考えるんだよ。
だから不倫なんて不毛な恋愛をしたりして逃げていたんだ。」
「俺は絶対にそんな事にならないよ。」
僅かに残っていたジンを飲み干し、カウンター越しのウェイターに同じものを頼んだ。
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