第十七章

13/14
前へ
/525ページ
次へ
「あっ、涼です。 あの、切らないで聞いてください。」 「・・・・・・。」 とにかく切られないように、自分に落ち着けと言い聞かせながら、 「こんばんは。」 「・・・こんばんは。」 小さな声だけどちゃんと応えてくれた。 「あの、この前はすみませんでした。 何だか俺・・・、舞い上がっちゃって月菜さんの事、何にも考えてなくて本当にごめんなさい。」 「もういいの。 気にしないで。 ・・・私も大人気なかったから。 それから・・・・・・メールの返事もしなくてごめんなさい。」 「いや、全然構わないです。」 ほら、次に何を喋るんだ。 「あの・・・やっぱり俺は、月菜さんを放っておく事なんてできないです。 だからといって嫌がる事もしたくないんです。」 「・・・・・・。」 「無理にとは言わないです。 でも、俺を信じて欲しい。俺はずっとあなたのそばにいますから。」 「・・・・・・涼くん。」 俺の名前を呼んだ。 「はい。」 「もう少しだけ、時間が欲しいの。ちゃんと考えたいの。」
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加