第十八章

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「転居するんですか?」 彼に話した記憶はない・・・。 「うん。する予定かな。」 「やっぱりそうですか・・・。 何で俺が知ってるのかっていう顔してますね。」 「話した記憶がないから。」 そう言うと、クスッと笑って 「誰にも聞いてないですよ。森下さんが不在の時にたまたまアウトソーシングの会社からの電話に俺が出たんです。」 「そっか。」 別に隠していたつもりはないのに、何となく気まずい空気が流れた。 「異動に合わせて、引っ越ししようと思って。 会社に話したら転勤転居扱いにしてくれるらしくて、それでアウトソーシングに頼んだの。」 「そうですか。」 別に悪い事をしているわけでもないのに、何だか言い訳をしている子供みたいになっていた。
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