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――17歳――
あの頃の俺達は、何かにつけて集まっていた。
大学受験の事も考えなければいけないはずなのに、何をするわけでもなく海斗の家に集まるのがほとんどだった。
そしてあの人に会った。
海斗の姉、月菜。
最初は奴の妹だと思った。
それが、俺達よりも5歳も上なんて正直言って驚いた。
ちっちゃくて、童顔だったからだと思う。
大学生になんて見えなかった。
挨拶をする程度だけだった。
でも海斗からあの人の事を聞いた俺は、興味本位で話掛けた。
その時の言葉は俺の胸に強く残った。
そして、俺の心に変化をもたらした。
その時から、あの人の姿をいつも探している自分がいた。
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